【不動産×スマートロック】賃貸物件の管理業務効率化はIoTで解決

エアコンや洗濯機などの生活家電から、ライトや電源プラグなどのちょっとしたガジェット小物まで、近ごろではさまざまなモノがインターネットに接続できる「IoT機器」や「スマート家電」といった商品が注目を集めています。
そのなかで「スマートロック」というものをご存知でしょうか。
スマートロックとは、物理的な鍵ではなく、スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスや、ICチップなどの電子的なキーを用いて、扉などの施錠や解錠を行うIoT機器になります。
今回は、このスマートロックを、賃貸物件の管理業務に活用するメリットや、スマートロックを選ぶ上でのポイントなどを中心にわかりやすく解説していきます。
この記事の目次
不動産業界における賃貸物件管理の課題
賃貸物件の管理における大きな課題の一つは、手間と時間のかかる雑務や付帯業務が多いということです。
内見業務を例に挙げると、まず最初に各不動産会社から内見希望の申請を受け、そこから内見担当者への鍵の受け渡し対応が始まります。
さらには貸し出し記録や台帳への記入などの付帯業務が発生するなど、煩雑かつ面倒で手間のかかる業務が多く、こうした諸々の課題解決に役立つとされ、近ごろ注目を集めているのがスマートロックという製品なのです。
ここからは、賃貸物件の管理におけるスマートロック活用のメリットは、一体どのようなところにあるのか解説していきます。
賃貸物件の管理にスマートロックを活用する理由
①業務効率化
まず、第一のメリットは「業務の効率化」です。
賃貸物件の管理業務において多く発生するものは、不動産会社や内見担当者への鍵の受け渡し業務。場合によってはいちいち該当の物件まで管理会社のスタッフが出向かなければならず、業務効率の悪化や無駄な工数発生を招いてしまいがちです。
スマートロックを導入することで、遠隔での施錠や解錠が可能となるため、担当者への鍵の受け渡し業務を省くことができ、業務効率の大幅な改善を見込むことができるでしょう。
②ヒューマンエラーの防止
第二のメリットは「人為的なミスの防止」です。
先述の通り、スマートロックはスマートフォンやタブレットなどから遠隔で施錠管理を行うため、そもそも物理的な鍵というものが存在しません。
そのため、内見担当者への貸出時の渡し間違いや、紛失や盗難といったリスクの心配もなく、安全かつ確実に物件の管理を行うことができます。
また、こうした新しい取り組みによるヒューマンエラーの防止や、物件成約などのコンバージョンアップへの努力姿勢をオーナー様へアピールすることで、業務の効率化だけではなく、良好な信頼関係の構築にも大きく役立つでしょう。
③セキュリティ強化
そして第三のメリットは「セキュリティの強化」です。
スマートロックには、専用のアプリから鍵の施錠状態をリアルタイムでモニタリングすることができる製品もあるため、内見後の鍵の閉め忘れの解消や、空き巣対策などのセキュリティ面での強化が期待できます。
不動産業界でのスマートロック選択基準
一口にスマートロックとは言っても、機能性や設置の方法など、近ごろではさまざまなバリエーションの製品が販売されるようになりました。
ここからは、スマートロックを導入する際に注目すべき、4つのポイントについてわかりやすく解説していきます。
設置方法
設置の方法にはいくつかの種類がありますが、ドアに対しての穴あけや別途工事が必要なものは賃貸物件への取り付けが難しいため、基本的には粘着テープで固定できる製品がオススメです。
また、穴あけが必要なモデルは対応するドアのバリエーションも少ないため、不要になった際の移設ができず、汎用性に乏しいというデメリットが挙げられるでしょう。
解錠方法
スマートフォンやタブレット、コンピュータなどのデジタルデバイスを用いた解錠方法から、電子キーやICカードなどの物理媒体を必要とするモデルまで、解錠の方法にもいくつかの種類はありますが、なるべく遠隔操作に対応した製品を選ぶようにしましょう。
電子キーやICカードによる解錠方法は結局のところ、物理的な鍵の貸し出しを行わなければならないため、スマートロックのメリットを削いでしまう可能性があります。
機能面
機能性においても、近ごろではオートロック機能や電池残量の通知機能を備えたものから、時限式のスペアキーを発行できるような商品まで、さまざまな商品ラインナップが展開されています。
しかし、あまりに多機能な製品は値段が高価なものが多く、操作性の面においても複雑でシンプルさに欠けてしまうため、スマートロックの利用目的に合わせて最適な製品を選ぶようにしましょう。
管理面
スマートフォンやコンピュータ上から鍵の施錠状態や入退室の履歴管理まで、すべてを一元的に管理できる機能を備えた製品がオススメです。
鍵の遠隔操作や入退室の履歴保存などの機能を活用することで、内見の立会い業務や鍵の貸し出し返却への対応、台帳記入作業といった、内見にかかる諸々の雑務を効率的に処理することができるようになります。
賃貸物件でスマートロックを活用するデメリット
本体の電池切れ問題
外部からの電源供給ではなく、本体内臓の電池やバッテリーによる駆動方式のため、電池残量のチェックや交換作業が必要になります。
インターネット環境が必須
当然ですが、インターネットを経由して鍵の開け閉め仕組みになっているため、物件そのもののインターネット環境が必要となる点もデメリットになる場合があるでしょう。
オートロック物件との相性が悪い
構造上の問題でオートロックの物件とは相性が悪く、スマートロックはほとんど導入不可能となっているため、こちらも注意が必要です。
まとめ
不動産管理にスマートロックを活用することで、内見にかかる鍵の貸し出し業務や、台帳の記入作業などの面倒な業務を簡略化でき、業務効率の改善を実現することができます。
一見すると小さな雑務のようにも捉えられますが、こうした細かな部分での業務効率化が積み重なることで、働き方改革や成約率などのコンバージョンアップにも繋がるでしょう。
不動産管理にかかる諸々の雑務を楽にしたい場合などは、今回ご紹介したスマートロックの導入を検討してみてはいかがでしょうか。