IoT宅配ボックスの設置で実現する宅配業者の働き方改革

新型コロナウイルスの影響による非接触サービスへの需要から、近ごろでは、非対面で荷物を受け取ることができる宅配ボックスが人気を集めるようになりました。

不在時においても荷物を受け取ることができる便利な宅配ボックスですが、こうした製品たちはユーザーメリットだけではなく、荷物の配達を請け負う宅配業者にとっても非常に大きな存在となっています。

今回は、IoT宅配ボックスの普及がもたらす宅配業者の働き方改革をテーマに、IoT宅配ボックスが果たす役割や、再配達率の現象によるメリットなどについての解説を進めていきます。

働き方改革とは

そもそも「働き方改革」とは、各々の事情に合わせた自由で柔軟な働き方を推進していくことで、生産労働人口の確保と少子高齢化の解消を図ろうとする、社会全体における一連の取り組みを指すものです。

従業員本人が日々の始業時刻などを自身で決定して働くことができるフレックスタイム制の導入や、在宅勤務をはじめとするテレワークの普及、残業時間の上限規制などは、現代における働き方改革の代表的な一例と言えるでしょう。

場所と時間に縛られない自由で多様な働き方の実現こそが、生産労働人口の確保と少子高齢化の解消への重要なファクターとなり、近年ではさまざまな業界分野において、IoTの進化にともなって労働環境の見直しと改善が行われるようになりました。

こうした働き方改革に向けた取り組みが顕在化されるなかで、物流業界や宅配業者にとっては、宅配ボックスの設置が効果的な手段と言えます。

IoT宅配ボックスとは

IoT宅配ボックスと呼ばれるものは、宅配ボックス自体がインターネットに接続しているタイプの製品を指し、スマートフォンなどのデジタルデバイスからボックスロックの解施錠などを遠隔操作できる点が大きな特徴として挙げられます。

近年では、新型コロナウイルスの影響による非対面での受け取り需要などもあって、注目が高まっているIoT製品のひとつです。

IoT宅配ボックスの設置で再配達率30%減

宅配ボックスとは、自宅の玄関先などに設置するポストやロッカーのような箱型の装置で、壁面や地面に埋め込む「埋込み型」の製品や、そのまま設置するだけの「据え置き型」の製品など、近ごろでは数多くの製品ラインナップが展開されるようになりました。

賃貸に宅配ボックスを設置するメリット・デメリット

宅配ボックスを設置することで、ユーザーは不在時でも荷物を受け取ることができるようになるため、従来までの不在連絡票などによる再配達を大幅に減少させることができます。

数々の宅配ボックスサービスを提供する「株式会社LIXIL(リクシル)」が実施したモニターアンケートによると、宅配ボックスの設置前と設置後とでは、再配達率が約30%も減少したということです。

従来までの再配達率と問題点について

従来までの荷物の受け取りに関しては、メール便や小型の郵便物を除いては、配達スタッフが直接手渡しで荷物を配達する必要があったため、ドライバーの業務負荷や労働時間の長時間化などのさまざまな問題が発生していました。

株式会社LIXILによるモニターアンケート

この調査からもわかる通り、従来までの再配達率は約41.7%となっており、これはほぼ二軒に一軒の割合で再配達を行っている計算になります。

再配達率が上昇するということは、一度訪問した場所へ再度荷物を届ける必要があるため、当然のことながら、配達員やドライバーへの業務負荷も深刻なものとなります。

一方、宅配ボックスの設置後の再配達率を見てみると14.9%となっており、設置による業務負荷の解消効果をうかがい知ることができます。

再配達率激減でCO2排出量も減

再配達率の減少から得られるメリットは、ドライバーの業務負荷の軽減やユーザーストレスの解消だけではありません。

再配達率が減少するということは、運送に用いるトラックの走行距離も必然的に減少するため、CO2の排出量が削減できるなどの環境保全の効果も、同時に期待することができるでしょう。

ドライバーから見たIoT宅配ボックスのメリット

宅配ボックスの普及によって再配達率を減少させることができるため、一軒あたりの配達時間が短縮させることができ、運送業務に従事するドライバーの負荷の軽減につなげることができます。

ここからは、配達ドライバーから見た宅配ボックス普及のメリットに焦点を当てて解説を進めていきましょう。

業務効率の改善

再配達が減少することで、ドライバーは同じ場所へ再び戻ってくる必要がなくなるため、全体の業務における業務効率の改善を見込むことができます。

配達事故の防止

長時間運転のリスクを最小限に抑えることができるため、認識能力の低下や注意力散漫などが引き起こす配達事故を未然に防ぐことができるでしょう。

プライベートの充実

再配達にかかる時間が短縮されるため、長時間化しやすい配達業務においても、労働時間の短縮によるプライベートの充実を期待することができます。

まとめ

ユーザーと業者の双方にとっても非常にメリットのあるIoT宅配ボックス。世間一般においても比較的認知されるようにはなりましたが、まだまだ十分な普及率とは言えない現状にあるでしょう。

神奈川県相模原市では、こうした宅配ボックスをひとつの社会的インフラとして捉え、その普及を目的に市内の5000世帯を対象として無料配布することを発表するなど、その存在は社会全体としても重要なものとなりつつあります。

【相模原市が宅配ボックスを無料配布】5000世帯が対象、11月以降に公募?

感染症対策としての効果も期待することができるため、社会全体での宅配ボックス普及に向けた取り組みが必要になっているのかもしれません。