ドン・キホーテでの宅配ロッカー試験運用開始で、広がる宅配ロッカー需要

宅配ボックスは、一定規模以上の比較的新しいマンションで導入されていることが多い、ロッカー型の共用設備のことを指すのがほとんどです。留守でも荷物を受け取れるため、夜遅くまで働いている方や、ネットショッピングをよく利用する人たちからのニーズが、年々高まっています。そして最近は、マンションなどの住宅だけでなく、駅の構内やスーパーマーケットといった公共のエリアに、仕事帰りにも荷物を受け取れる宅配ボックスの設置が増えてきています。自宅マンションに宅配ボックスがない方、なかなか設置出来ない方にとっては、とても助かるサービスと言えるでしょう。

宅配ロッカーの導入で変わる「ラストワンマイル」とは

「ラストワンマイル」と聞いても、一般的な会話には出てこない言葉だと思います。しかし流通業界ではよく使われている言葉で、直訳すると「最後の1マイル」という意味になります。ネット通販などで購入した商品は、倉庫から近くの配送センターまで大型トラックで運ばれ、配送センターから皆さんの自宅に届きます。この最寄りの配送センターから、自宅までの最後の区間のことを「ラストワンマイル」といいます。

では「ラストワンマイル」で届くはずの荷物ですが、配送先が留守で荷物を受け取れなかった場合は、その荷物を一度配送センターに戻し、後日また再配達しなければなりません。そうなればラストワンマイルではなく、ラスト2マイル、3マイル・・・になるかもしれません。

国土交通省の2017年10月調べにおいて、宅配便の再配達率は約15%となっています。ネット通販の拡大などで、国内の荷物取扱量が急増するなか、近年増えてきている核家族化や単身世帯の増加も加わって、再配達の需要がますます高まってきました。その結果、配送費の値上げや、トラックの排ガスによる二酸化炭素(Co2)の増加など、悪い事ばかり増えている状況です。

宅配ボックスの設置規制緩和で、再配達は減るか?

ドン・キホーテが開始する新しいスペースの活用法

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000172.000019436.html

こうした再配達を減らす取り組みが、最近では政府機関や民間企業などによって、さまざまな場所、サービスで行われています。再配達を減らす一番有効な手段として、宅配ボックス・宅配ロッカーがあります。個人での宅配ボックス設置はもちろんのこと、街中で荷物が受け取れる宅配ロッカーも徐々に増えてきています。

そして2018年7月9日、日本最大級のディスカウントストア「ドン・キホーテ」は、宅配ロッカーとフリースペースの試験運用を、千葉県山武市の「MEGAドン・キホーテ ラパーク成東店」で開始しました。

「時間消費型店舗」を目指すための“宅配ロッカーとフリースペース”

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000172.000019436.html

「MEGAドン・キホーテ ラパーク成東店」の宅配ロッカーは、ドン・キホーテの電子マネー「majica」の会員登録後、スマートフォンなどで利用できるサービスです。フリースペースに設置された405個の宅配ロッカーは、グローリー株式会社と株式会社セゾン情報システムズが提供するブロックチェーン技術が使われています。これにより電子キーの偽装や改ざんを防ぐことができます。

ドン・キホーテは独自の売り場作りを通じ、買い物自体を楽しむ「時間消費型店舗」というビジネスモデルを確立しているといいます。そのうえ、店舗に宅配ロッカーを設置する事で、顧客の足を店舗に運ばせるだけでなく、さらにフリースペースを設置することで、顧客の滞在時間を伸ばす事ができます。

顧客側も、買い物もできて荷物も受け取れる、さらにフリースペースでちょっとしたMTGもできるようになります。もちろんお店側としても、普段ドン・キホーテに来ないご近所さんも、店舗に足を運ばせるチャンスにもなるのです。今回のドン・キホーテでの宅配ロッカーとフリースペース開始は、店側・顧客・流通、この三者それぞれにメリットを発生させるための試用運用と言えるでしょう。

〆切り間近!宅配ボックスの開発・設置で補助金が受け取れる?

ラストワンマイルを埋める宅配ロッカーは他にもある!

ドンキホーテに設置されているモノ以外でも、現在さまざまな宅配ロッカーが登場しています。今回は、すでに広く設置されている宅配ロッカーを3つご紹介します。

楽天BOX

楽天BOXは「楽天市場で購入した商品」を受け取るための専用ロッカーです。購入した商品が、指定した楽天BOXに届くと、登録してあるメールアドレスに通知が届きます。メールに記載されたロッカー解錠用パスワードを、楽天BOXの操作パネルに入力することで解錠できるシステムになっています。2018年現在の楽天BOX設置場所は、首都圏を中心に22カ所と数は少ないのですが、配送業者が自宅に入ることや、購入した商品を見られるのが嫌いな人にも便利なサービスです。

関連記事:楽天で購入した商品を最寄り駅で受け取れる「楽天BOX」がスゴイ!

Amazon「Hub」

アメリカAmazonが、2017年7月から提供を開始している「Hub」は、集合住宅向けの宅配ロッカーです。大きな金属製の宅配ロッカーを、集合住宅の共用エリアに設置し、24時間いつでもパスワードを入力するだけの簡単な操作で、自分に届いた荷物が取り出せます。「Hub」は先述の楽天BOXと違い、Amazonで購入した商品以外も受け取る事ができます。

Starter Hub(スターターハブ)と呼ばれる、42個に区切られた本体に、23個ずつ追加できるExpander Segment(エキスパンダーセグメント)を追加する事ができます。2018年6月19日の、Amazonの発表によると、米国内で50万人を超える居住者が、この「Hub」を利用できる状態との事です。

PUDO(プドー)ステーション

Packcity Japan株式会社(パックシティジャパン株式会社)の「PUDOステーション」は、さまざまな場所に設置できる宅配ロッカーです。駅やスーパー、ドラッグストアに駐車場など、街中に設置されたPUDOステーションを指定することで、自分だけの宅配ボックスにすることができます。宅配便からの受け取り先にPUDOを指定する場合、各運送会社のロッカー受け取りサービスを指定する必要があります。現時点では、ヤマト運輸・佐川急便・DHLジャパン・順豊エクスプレスが、このサービスを利用できます。

関連記事:誰でも利用できるオープン型宅配ボックス「PUDOステーション」の魅力とは?

まとめ

交通省の調べによると、2017年10月時点で都心部の再配達率は約17%にも登るそうです。都会では、昼も夜も営業中のお店も多いですが、宅配便は深夜に配送していませんので、日中や夜遅くまで働いている方には、宅配ロッカーはとてもありがたいサービスと言えるのではないでしょうか。

流通業界においても、宅配ボックスは再配送を防げるメリットがあります。冷凍食品などボックスにしまえない商品以外は、宅配ボックスに任せてしまうのも1つの手段です。初めての人には不慣れなサービスだとは思いますが、何度も再配送を依頼するよりは宅配ボックスに配送してもらう方が良いかもしれませんね。

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