「不動産×スマートロック」急増するリアルエステートテックとは?

さまざまなモノがインターネットに繋がる「IoT(Internet of Things)」。テレビのニュースなどでも頻繁に耳にするようになりました。室内のあらゆる電化製品をスマホや音声で操作できたり、家電制御ができるホームアシスタントが登場したりと、徐々にIoTは一般的になってきています。

こうしたIoTの波は、家電にとどまらず色々なモノと繋がりを見せています。近年では「金融(Finance)」と「技術(Technology)」を組み合わせた『FinTech(フィンテック)』という言葉も登場し、金融業界とIT業界の融合が話題となりました。

そして今新たに注目を浴びているのが、不動産業界とIT業界が組み合わされた『リアルエステートテック』という言葉です。不動産とITがどのように融合するのか、詳しく解説します。

不動産業界の仕組みを変える「リアルエステートテック」

最近「リアルエステートテック」という言葉を耳にする方も多いかと思います。不動産テックとも呼ばれるこのサービスは、近年のアメリカの不動産市場を支えており、不動産(リアルエステート)とIT技術(テック)が融合したサービスのことを表します。

不動産の売買や賃貸などに、インターネットやビッグデータのようなIT技術が活用されています。アメリカに比べ中古住宅取引が活発でなく、新築信仰の強い日本は、古くからのルールや決まりごとが多く時代に合わせた法改正も進んでいないことが言われます。そのためアメリカでは一般的な「民泊」も、日本では普及するまでには至っていません。

しかしこうしたリアルエステートテックの動きが広がることで、古い習慣などはなくなり、コストカットや価格の低下などが可能となっていくのではないでしょうか。

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増え続ける「リアルエステートテック」サービス

「リアルエステートテック」と一言に言っても、そのサービスは多岐にわたります。単純に不動産情報を提供するものだけでなく、価格査定や可視化させるもの、オンラインで内覧ができるサービス、IoT関連商品とさまざま。

インターネットやスマートフォンが普及している今、わざわざ店舗に行かずともオンラインで室内を見ることができたり、手続きしたりも可能に。さらには借りる側でなく貸す側、アパートオーナーとしても、アプリを使って物件の管理を行うサービスが登場しています。

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入退室はスマホでOK!IoTと不動産を融合させたサービス

こうした「リアルエステートテック」の流れを受けて、多くの企業で賃貸マンションなどのIoT化を進めるところが増えてきました。スマートロックを開発している企業と、不動産管理を行う企業が提携し、新たに建設されるマンションを丸ごとIoT化したものや、IoT化したマンションでハウスキーピングや、宅配などさまざまなサービスが遠隔で対応できるところも登場し始めています。

株式会社ライナフ:Ninja Lock

不動産に特化したスマートロックや、IoT製品を開発している株式会社ライナフでは、2018年1月、日本初の「サービスが入ってくる家」プロジェクトを開始すると発表しました。これは東京都大田区にある賃貸マンションにて、家事代行や宅配業者5社と連携し、ライナフの看板商品である「Ninja Lock」を活用して、不在時でも家事代行や宅配サービスを受けることを可能にしました。セキュリティ面も、防犯カメラの「Safie」と連携しているため、人の出入りを遠隔で確認できます。

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株式会社レオパレス21:Leo lock

賃貸マンション業界で最大手とも言える、株式会社レオパレス21は、新築マンション全戸に高機能のスマートロックを取りつけることを発表。レオパレス21は、スマートロックを開発・提供している株式会社グラモと提携し、グラモが展開するスマートロックをレオパレス21仕様にカスタマイズした「Leo Lock」を共同開発。2017年10月以降完成物件から順次搭載され、年間1万戸への導入を目指しています。既にレオパレス21で使われている家電制御機器「iRemocon」との連動も可能なため、鍵の遠隔操作やTVやエアコンなどの自動制御も可能になる見込みです。

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リクルートテクノロジーズ:iNORTH KEY

不動産管理に特化したスマートロック「iNORTH KEY」は、賃貸・住宅情報サイトSuumoを運営しているリクルートグループだからこそ、これまでの不動産情報を活かして開発されました。スマートフォンが鍵代わりになることで、内覧業務を効率的におこなえる機能を数多く搭載。パソコンやアプリの管理画面から、スマートロックを設置している管理物件が確認できたり、鍵の受け渡しもアプリ内で簡単に行えたりと、仲介業者・お客様のどちらの手間も省くことができます。

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株式会社インベスターズクラウド:TATERU kit HOME ENTRANCE

アプリを使ってアパート経営を行う「TATERU」を開発・運営する、インベスタークラウドが子会社のRobot Homeと共同で発表したのが、すべての宅配業者が不在時でも配達対応可能な「TATERU kit HOME ENTRANCE」です。自宅の中に宅配業者が荷物を入れる「Amazon Key」がアメリカで登場しているものの、まだまだ日本ではこうしたサービスはありませんでした。しかしIoTサービスの提供や、IoT製品の開発を行ってきたRobot Homeのノウハウを活かして「TATERU kit HOME ENTRANCE」は生みだされました。スマホを使って遠隔でも操作可能なスマートロックや、ドアホンを活用して、宅配業者やクリーニング業者などと離れたところにいても対応を可能にしています。2018年9月には第1号となる物件に設置されるとのこと。

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忙しい人も安心「オンライン内覧」サービス

リアルエステートテックで、今一番勢いのある「スマートロック」業界。ただ鍵がスマホで開けられて、物理的な鍵を使わなくてよいというだけではありません。不動産業界では、仲介業者・お客様ともに意外と手間や時間を取られてしまう「内覧」業務に、スマートロックは非常に有効なツールとなっています。

内覧業務というと、新しい家を探している方へ、該当の部屋や建物を実際に見てもらうために、仲介業者や不動産会社がお客様を現地へ案内するというもの。やはり実際に部屋を見て決めたいのはありますが、お互いに予定を合わせないといけないため、この日がいいと思っても都合が付かなければ、別の日になるということもありますよね。そして気付けば希望の部屋が他の人で埋まってしまって、別の部屋を探さないといけない羽目になることも。また一度不動産業者の店舗や、近くで合流して現地へ行くことが多いため、時間厳守にも関わらず遅刻や、急なキャンセルなどで時間のロスが発生しています。

そこで増えてきたのが、オンラインで予約し、希望した時間に現地へ行くだけでOKな「内覧サービス」です。有名なものとして、株式会社ライナフの「スマート内覧」などがあり、予約は24時間受付、時間帯も仲介業者の営業時間以降でも可能なため、仕事帰りに内覧に行くことも可能です。鍵の受け渡しも、スマートフォンを使ってSNSやメールで受け渡しができ、現地でスマートフォンをかざせば入ることができます。

こうしたオンラインの内覧サービスが増えたことで、お客様の満足度も向上し、成約に繋がりやすくなるとのこと。仲介業者側も、内覧対応の時間を他の業務に回すことが出来るため、業務効率も一気に向上するというわけです。

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まとめ

IoT化の動きは、近年ものすごい勢いで進んでいます。スマホやインターネットの普及により、ただ電話やメールで使うだけでなく、人々が生活していくためのツールとして活用されるようになりました。さまざまなホームアシスタントの登場で、声だけで電気やテレビのオンオフが可能になり、スマホを使って遠隔で鍵をしめたり、設置した監視カメラから室内のようすを見たりもできるようになりました。

このようにIoTが人々の生活の一部となってきていることで、誰もが多くの時間をすごす「家」を提供する不動産業界が、IoTの力を活かして運営するのは必然と言えます。より便利でスマートな生活を送るため、これからも多くのIoTサービスが登場するでしょう。

ネットで物件情報を検索する際に『IoT』の選択肢を選べる日も、そう遠くはないかもしれませんね。

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